令和5年10月1日からインボイス制度が始まります。制度開始まであと1年を切っています。準備に追われないためにも計画的な準備が必要です。
インボイスの登録がいつまでに必要かご存じでしょうか?
この記事ではインボイス登録をいつまでにすればよいのか原則的な期限と、例外的な期限について説明します。期限までにインボイス登録をするべきかの判断しっかり行い登録を忘れずに行いましょう。
令和5年3月31日まで:原則
令和5年10月1日のインボイス制度開始からインボイスを発行するためには令和5年3月31日までにインボイス登録をしなければなりません。令和5年3月31日が原則的な期限になります。
この時点で登録が完了していればインボイス制度開始まで6か月あるのでインボイス発行の対応準備も問題なく行えるでしょう。
令和5年6月30日まで:特定期間で判定
消費税は基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されます。
基準期間とは原則として個人事業者においては前々年であり、法人においては前々事業年度です。
ただし、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合は、その課税期間は課税事業者になります。
特定期間とは個人事業者の場合はその年の前年1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は原則としてその事業年度の前事業年度開始の日から6か月の期間をいいます。
なお、特定期間における課税売上高は給与支払額の合計額で判定することもできます。
ここで疑問が生じるのは6月30日までの売上高でインボイス登録をするかどうかを決めるのに提出期限も6月30日であるという点です。時間的余裕がない中で登録の判断を行うにはどうすればいいでしょうか?
その場合は売上高で判断せず給与支払額で判定することをおススメします。なぜなら通常は売上よりも給与の方が低いからです。そして給与の支払額であれば6月30日にならなくても計算ができているはずなので判定するための時間的余裕もあります。
特定期間により納税義務を判定する場合は、インボイス登録の期限が令和5年6月30日となります。
令和5年9月30日まで:困難な事情がある場合【令和5年税制改正】
原則的な期限である令和5年3月31日までに登録申請書を提出できなかった場合でも、提出できなかったことにつき困難な事情があるときは、令和5年10月31日までに登録申請書にその困難な事情を記載して提出すれば令和5年10月1日に登録を受けたとみなされます。
困難な事情の程度については問わないことになってはいますが、現時点ではどのような事例をもって困難というのかは明らかになっていません。
令和5年税制改正:困難な事情の記載が無くてもOK
令和5年の税制改正によりインボイスの届け出について一部改正がありました。
令和5年10月1日からインボイス登録を受けようとする事業者が原則的な申請期限である令和5年3月31日後に申請書を提出した場合において困難な事情の記載が無くても令和5年9月30日までに申請されたものについては令和5年10月1日を登録開始日として登録されることになります。
実務上は申請期限の延長といえるでしょう。
課税期間の末日:新設法人の特例
インボイス登録の期限について新設法人については特例があります。
新設法人は事業を開始した日の属する課税期間の末日までに、課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を提出すればその課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます。
提出を忘れたらどうすればいい 提出、登録、通知と時間が掛かる
上記の登録期間までに提出を忘れた場合どうすればいいでしょうか?
その場合はなるべく早く登録申請書を提出しましょう。注意していただきたいのはインボイス登録がされるのは申請書を提出した日ではなく登録日となります。申請書の提出、登録、通知という流れになりますが日数がかかることが予想されます。
登録日から通知日までの取引について新たにインボイスを発行してもいいですが、登録番号などインボイスの記載事項として不足していた事項を相手方に書面などで通知する方法でも問題ありません。ただし、既に交付した書類との関連性が明確であり交付を受けた事業者が適正に認識できる必要があります。
まとめ
インボイスの登録期限は原則的には令和5年3月31日です。
ますはこの期限までに登録するかどうかの判断をして登録まで終わらせましょう。
困難な事情がある場合について、困難な程度を問わないとありますがトラブルを避けるためにも原則的な期限までに登録をすることをおススメします。
インボイスの対応で何をすればいいのかわからない方はコチラの記事もご覧ください。