この記事の執筆者

税理士 青木征爾 
札幌市を中心に活動
新規創業支援や中小企業の経営支援、相続業務を得意とする

こんにちは。札幌の税理士の青木です。

個人事業を法人化させることを法人成りといいます。

法人成りのメリットの1つに所得の分散効果で節税できるという点があります。

事業主の給与 法人なら経費に算入できる

個人事業主は自身の給料を必要経費に算入することはできません。

それに対し法人は事業主(多くの場合はオーナー社長、以下社長)に支払う給料を経費に算入することができます。

所得の分散効果とは、個人事業主の場合は所得の全てが個人事業主に集中しますが、法人の場合は法人に対する所得と社長に対する役員報酬とで所得が分けられることをいいます。

所得税は超過累進税率のため、所得が高ければ高いほど税率も上がります。
所得が高い個人事業主ほど法人成りした際の所得の分散効果の恩恵を受けやすいです。

給与所得控除

法人成りした場合は、社長に対する給与は給与所得になります。

給与所得については給与所得控除といって、給与収入に応じて65万円から220万円まで概算経費が控除されます。これは実際に支出が無くても受けられる控除です。

個人事業主は事業所得となり、給与所得控除の適用はありません。
給与所得控除の適用を受けることができるのは法人成りのメリットです。

社長の家族への給与も経費に

個人事業主は、同一生計親族に対する給与は原則必要経費に算入されません。専従者給与という制度はありますが、一定の要件と手続きが必要です。

それに対し法人は社長の家族への給与も経費に算入が可能です。

当然、経費にするためには勤務実態は必要ですが、個人事業主に比べ、家族への給与を経費に算入しやすいので所得の分散効果があります。

まとめ

社長の給料を経費に算入できるというのは法人成りのメリットです。

所得税は超過累進税率ということもあり、所得の分散効果が生じやすいです。
当然、所得の高い個人事業主のほうが恩恵を受けます。

もし、法人成りを検討されているのでしたら、所得の分散効果を考慮に入れてみてはいかがでしょうか?