「利益が出たんだけれど現金があまり残っていない。損益計算書、貸借対照表はチェックしているのに何が原因かわからない?」
そのような経験をしたことはございませんか?
損益計算と実際資金を表す収支計算にはズレが生ずる場合が多いです。
実は損益計算書と貸借対照表をみても、原因を把握することは難しいです。
今回は損益計算と収支計算のズレの原因、そして損益計算、収支計算どちらが重要かについて解説します。
損益計算と収支計算にズレが生じる原因
時点のズレ
長期的にみると損益計算と収支計算は一致します。
しかし、ある一時点を見るとズレが生じる場合があります。
代表的なケースが2つあります。
1つ目は後払いで商品代金を受け取っているケースです。
商品引き渡し時に損益を認識しますが、代金の受け取り、すなわち収支計算はそのあとです。
このように場合に、時点のズレが生じます。
2つ目は減価償却費です。
減価償却資産は購入時(支出時)に全額が経費になるのではなく、その耐用年数に応じて費用化されます。
そのため支出よりもあとに損益に反映されます。
損益に影響しない収支
ズレが生じるもう一つの原因は損益に影響しない収支があることです。
代表的なものとして金融機関からの借入とその返済です。
借入そのものは損益に影響はありませんが、資金が増えるので収支には影響があります。
同様に借入の返済そのものは損益に影響がありませんが、資金は減ります。
赤字でもキャッシュがあれば倒産しない
では損益計算と収支計算どちらが重要でしょうか?
答えは収支計算です。
なぜなら、会社が倒産する理由の多くはキャッシュが不足するからです。
赤字であってもキャッシュがあれば会社は存続します。逆に黒字であってもキャッシュが不足すれば会社は倒産します。
収支計算は会社の存続に直結するため計画性が重要です。
まとめ
現実に利益は出ているのに資金が貯まらないというケースはよく目にします。
借入金の返済が重いことが多いですね。
しっかりとした利益計画、資金計画を立てて事業を発展させていきましょう。