この記事の執筆者

税理士 青木征爾 
札幌市を中心に活動
新規創業支援や中小企業の経営支援、相続業務を得意とする

こんにちは。札幌の税理士の青木です。

社会保険を支払っている場合、確定申告の際に控除対象になります。

どのようなものが社会保険料控除の対象となるのか確認していきましょう。

社会保険料控除の対象とは

社会保険料控除の対象は大きく分けて健康保険等、年金等、雇用保険等の3種類があります。

社会保険料控除の対象となる主なものは次の通りです。

健康保険等

  • 健康保険の保険料
  • 国民健康保険の保険料又は国民健康保険税
  • 介護保険の保険料
  • 高齢者医療保険の保険料

年金等

  • 国民年金の保険料
  • 国民年金基金の掛金
  • 厚生年金の保険料
  • 厚生年金基金の掛金
  • 農業者年金の保険料
  • 公務員など共済組合の掛金

雇用保険等

  • 雇用保険の労働保険料
  • 労働者災害補償保険の保険料

家族の社会保険も控除対象?

社会保険料は納税者本人だけでなく生計を一にしている配偶者や親族の保険料も対象となります。

ここで重要なのは「生計一」という点です。

生計一とは日常の生活費を同じ財布から支払っているということです。

そのため学業などのために別居していても仕送りで生活している場合などは生計一になります。

また同居であっても、それぞれが別々のお金で生活している場合は生計一とはいえません。

控除対象は今年の分だけ?

社会保険料控除の対象はその年中に支払った社会保険料となります。

そのため過去分をまとめて支払った場合や翌年分を前納した場合であっても控除の対象となります。

社会保険料控除のよくある疑問

子どもの国民年金を支払った場合

子どもの国民年金を支払った場合、社会保険料控除の対象となるかはその子供が生計一であるかという点です。

生計一(生活費を同じ財布で支払っている)であれば社会保険料控除の対象となります。

たとえば、大学に通うために一人暮らしをしている子どもに仕送りを送っている場合は生計一といえます。

そのためその子どもの国民年金を支払った場合は社会保険料控除の対象となります。

翌年分の国民年金保険料を支払った場合

国民年金保険料については前納制度というものがあります。

前納をした場合はその納付額の全額が社会保険料控除の対象となります。

年の途中に子どもが独り立ちした場合

年の途中に子どもが独り立ちをして生計が別になった場合は、いつの時点で生計一の判定を行うのでしょうか?

答えは保険料を支払った時点で判定を行います。

たとえば1月から9月までは生計一で10月以降は生計別であった場合は9月までに支払った保険料については社会保険料控除の対象となります。

扶養家族の公的年金から天引きされている介護保険料

扶養家族の公的年金から天引きされる介護保険料を支払ったのはその扶養家族です。

そのため生計一親族であっても公的年金から天引きされる介護保険料は社会保険料控除の対象外となります。

当然、天引きされた扶養家族本人は社会保険料控除の対象となります。

口座振替で支払った後期高齢者医療保険

生計一親族の後期高齢者医療保険を口座振替で支払った場合は社会保険料控除の対象となります。

たとえば妻の後期高齢者医療保険の保険料を夫の口座から振替えた場合は、夫の社会保険料控除とすることができます。

まとめ

社会保険料控除は自分または生計一親族の保険料でその年中に支払ったものが対象となります。

前納した分や過去分であっても控除対象となります。

また、生計一の家族の分も同様に控除対象となります。

間違えやすいポイントですので注意しましょう。