「財務分析って何をするのかよくわからない」なんてことはありませんか?
分析というくらいですから、なんだか難しそうな印象がありますよね。
難しそうに感じますが、実は財務分析は大きく3つに分類されます。
それは「安全性」「収益性」「成長性」の3つです。
この記事を読むと「安全性」「収益性」「成長性」とは何なのかがわかり、基礎的な財務分析ができるようになります。
安全性:企業の支払い能力
安全性とは企業の支払い能力のことです。
主に貸借対照表を用いて分析します。
短期的な支払い能力をみる「流動性比率」
流動性比率の確認方法は簡単です。
現預金や売掛金などの流動資産の金額と、買掛金、支払手形などの流動負債の金額の比率を求めて確認します。
流動性比率
流動資産÷流動負債×100
この比率は高ければ高いほど安全性が高いです。
流動性比率は150%以上は必要だといわれています。
100%を下回っている場合は資金繰りに問題を抱えている可能性があります。
資金調達の安定度をみる「自己資本比率」
自己資本とは資金の調達源泉のうち返済不要のものです。
株主からの払込資本や企業の内部留保などで構成されています。
自己資本比率
自己資本÷総資本×100
この指標は高ければ高いほど返済の必要な借り入れが少なく安全性が高いといえます。
30%以上あれば優良な会社といえるでしょう。
収益性:利益を生み出す力
収益性分析とは、企業の利益の効率性を指しています。
主に貸借対照表、損益計算書を用いて分析します。
総資産に対しどれだけ利益を生むか 「ROA(総資産経常利益率)」
例えば1万円の利益を生むのに10万円投資するのと100万円投資するのではどちらが効率が良いでしょうか?
もちろん10万円ですよね。
ROAは資産をどれだけ効果的に活用したかを知る指標です。
高ければ高いほど少ない投資額でより大きな利益を生んだことになります。
ROA(総資産経常利益率)
経常利益÷総資産×100
ROAは絶対的な目安となる数字はありません。
業種や業態によって変わります。
そのため、同業他社や自社の過去の実績と比較するのが良いでしょう。
商品の付加価値を表す「売上高総利益率」
売上高総利益は売上高から売上原価を控除した利益で別名粗利とも呼びます。
売上高総利益率は売上に対する売上高総利益の比率で、商品の付加価値を表します。
売上高総利益率
売上高総利益÷売上高×100
こちらも業種、業態によって変わるため同業他社や自社の過去実績と比較するのが良いでしょう。
成長性:今後伸びていく企業かどうか
前年と今年の売上高と経常利益を比較し、増減を確認しましょう。
企業の成長性がみえてきます。
2期分の損益計算書を用いて分析します。
パターン1:増収増益
売上が増加し利益も伸びている状態、最も望ましい形です。
パターン2:増収減益
売上が増加しているにもかかわらず、利益が減少している状態です。
値下げ競争に巻き込まれている可能性があります。
パターン3:減収増益
不採算事業の撤退などにより、売上は減少しているが利益は増加している状態。
増収増益にどうやってつなげるかが課題です。
パターン4:減収減益
売上が落ちているうえに利益も減少している状態です。
事業の立て直しが求められます。
簡単な財務分析の方法は前年との比較
財務分析の方法はわかりましたか?
ひとつひとつを見ていくとそれほど難しくはないかと思います。
しかし、比較対象がないと自社の状態がどのくらいのものなのかわからないかと思います。
ただし、同種同規模の企業のデータを用意するのは難しいでしょう。
そこでおススメの分析方法は自社の前年の指標と比べることです。
前年の指標と今年の指標をならべ、何がどれだけ変化したのかを比べます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
財務分析というと難しそうでしたが印象は変わりましたか?
2年分の決算書があれば簡単に基礎的な財務分析ができるようになったはずです。
数字の分析ができるようになれば経営判断の手助けになることでしょう。