この記事の執筆者
税理士 青木征爾
札幌市を中心に活動
新規創業支援や中小企業の経営支援、相続業務を得意とする
こんにちは。札幌の税理士の青木です。
法人税の規定上、役員報酬を損金の額(税務上の経費)に算入するには制限があります。
「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」に該当するもののみ損金の額に算入することができます。
このうち「定期同額給与」は、その支給時期が1月以下の一定期間ごとである給与で、その事業年度の期間を通じ各支給時期における支給額が同額のものをいいます。
定期同額給与の改定時期とは
定期同額給与は、その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までに改定を行わなければなりません。
この期間外に改定を行った場合は役員報酬について損金の額に算入されないものが生じます。
法人においては損金の額に算入されない部分については税負担が増え、役員においては損金の額に算入されない部分についても所得税が課税されるためダブルパンチです。
変更した場合、全額が損金不算入となるのか?
会計期間開始の日から3月を経過する日以後に役員報酬を改定した場合、役員報酬の全額が損金不算入となるわけではありません。
増額改定であればその増額部分が損金不算入となります。
上の図を例にしますと、30万円であった役員報酬を会計期間開始から5か月目で10万円増額し40万円支給しています。
増額部分の10万円×8か月分=80万円が損金の額に算入されないことになります。
30万円部分については損金の額に算入されます。